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株式会社 赤原製作所| 代表取締役社長 赤原 宗一郎 様

事業の内容:鉄・ステンレスの加工/設立:1960年/従業員規模:60名

上層部と中間、従業員の距離が
近そうで遠かった

御社の創業と事業内容に関して教えてください

1960年に私の父が創業しました。創業当初から鉄とステンレスの板金加工を行なっています。現在の従業員数は60名ほど。その内7割が外国人で、ブラジル・パラグアイ・ペルー・フィリピン・ベトナム・バングラディッシュ・タンザニア・マリ・日本など、さまざまな方が在籍しています。

導入前に解決したいと思っていた課題は何ですか?

上層部と中間、従業員との距離が近そうで、実際はかなり遠かったんです。「右!」と言ったら、左とまではいかないけど、真ん中を向いているような。物事が思うように伝わらないことが多々ありました。中間の課長を2−3年前に揃えたこともあり、彼らの力を引き出し、全体の底上げをしたいと思っていたのです。父は創業社長でもあり、カリスマ的な存在でした。変な意味ではなく、社員からすると近づきにくい存在で少し壁があったと思います。そういった壁をなくし、会社の一体感が「あるようでない状況」をどうにかしたいと常々考えていました。

その中で導入しようと思った最大の理由は何ですか?

こういうのに取り組んだことがなかったですし、社長に対して、ああしろ、こうしろと言ってくるのはあるけど、「幹部を巻き込んで一緒にやるというのは面白い!」と思い、興味を持ちました。

実際、DAY1をやってみていかがでしたか?

最初は、これきついなと思いました。時間も長いですし。笑
それでもやって良かったと思えたのは、特にうちの30代の課長たちが、ズケズケとものを言ってくれるのが面白かったですね。社内の言えない問題を出すパートで「実は会社のみんな仲良さそうで、悪い」とか。かなり辛辣な意見が出てきて驚きもありましたが、そういうことを言ってくれること自体が良かったです。メンバーのことを分かっているようで、「こんな風に考えているんだ」というみんなの見えていない部分の発見につながったので、何でも伝えてくれるメンバーがいることを知れたこと、そして、彼らを選んで本当に良かったなと思いました。

今日までに約8ヶ月経過しましたが、導入して一番印象に残っていることは?

最初は私が旗振りで進行していましたが、毎週一回の会議も含めそれぞれが率先して動くようになって、私がいちいち言わなくても事が進むようになったことが有り難いですね。組織で言うと、社長が「右!」と言わなくても、みんなが自然と動いていてくれている。それって一番理想じゃないですか。

売上総利益を15%→20%という
チャレンジングな目標に

これまで、どんな成果が手に入りましたか?

課長たちが、「俺がやらなきゃ!」という姿勢でやり始めてくれたことですね。その中でも特に大きく変わったメンバーがいます。以前は相手を認めていなかったり、接し方が冷たかったり。今回のセッションを通じて、部下との関わり方に気づいてくれたんじゃないかと。そして、受け身だったのが、自分から動くようになったと思います。
それとクレームが多い月には約70万円の損失が出ていたのが、取り組みを始めて1ヶ月で10万円強まで抑えることができ、ひと月で約60万円の改善ができたのです。今ではセッションメンバーのみならず、会社全体のクレームに対する意識が高まりました。以前は存在しなかった「クレームを受けることは恥ずかしいこと」という良い意味でのプレッシャーが生まれたのだと思います。昨年15%だった売上総利益ですが、今期は20%という目標を掲げて行動し、現状は21%と確実に目標達成に向けて進んでいると思います。

今回更に、全課長・社内コーチの育成しようと思ったのはなぜでしょうか?

当たり前のことですが、セッションメンバーとそれ以外のメンバーには差があるように感じることがありました。そんな中、提案いただき、セッションを受けていない課長メンバー10名以上を集めてセッションをしてもらったんです。そのセッションで課長たちが楽しそうな顔をしているのを見て、「あっ、これはいいんだな」と感じました。だったら課長まで広げてもっと効果を上げたいと。課長たちが「こういう場合だったら社長はこう考えるよね。」という意図が共有され、良い信頼関係から、私に提案してきて、「あぁ、OK!OK!」と進められたら最高ですよね。

会社の将来、実現したい未来像を教えてください。

社員数は今の2倍、100人規模にしたいですね。なんか楽しそうだなと。そのためには、売上は20−25億にする必要があります。たくさんの給料を出してあげたいですし。ただ単に売上を伸ばしたいわけではなく、数多くのお客さんの期待に応えたいというのはありますね。結果、売上と利益が得られるというのが近いと思います。そのためにも、人の育成を最優先にしなければならないと思っています。社員によく話すのですが、「私は社長ですが、社長の前にひとりの人間。社長は役割でしかなくて、偉いとか偉くないとか関係ないからな」って。

小坂コーチの印象を教えてください。

私自身がそうありたいと思っていることなのですが、私の話をちゃんと聞いてくれる。本当にそれが承認だなって、今考えるとわかります。それと、動きが早くていい感じで我々を引っ張ってくれますね。いい意味でケツを叩かれている感じがします。あと安心感がありますよね。あれやれ、これやれと言うわけではなく、我々に考えさせて、「それどうやったらいいですか?」ってスタンスですもんね。みんなが「自分で言ったからやらなくちゃ」ってなりますね。それが面白いですよね。

小坂コーチをどういった企業・経営者にお勧めしますか?

人の問題や組織の問題で社内がぐちゃぐちゃになっている会社やもっと人を育てていきたいと思っている会社には特に合うと思います。社員の潜在能力をうまく引き出しながら人材を育成していきたいと考えている社長さんにはいいんじゃないかと。人を育てるのってとても難しいことですが、数あるコンサル・人材育成の中でも「当たり」の方なんじゃないかと。これ、ゴマスリじゃなくて、色々本人の考えを引き出してくれるので、うちのメンバーたちは今までにないことを考える場面が色々とあってすごくよかった。本当にそう思います。

赤原社長、ありがとうございました!